システムの種類と料金の目安
あくまでも目安ではありますが、システムの種類別に大まかな開発料金の目安をご紹介します。どんなスキルを使うか、どんな機能を実装するか、開発の規模やシステム連携の有無などさまざまな要件によって開発料金にはかなり幅があります。また、一からフルスクラッチで開発するのではなく、必要に応じてパッケージやクラウドを導入することで、開発コストを削減することができます。
システム別開発費用の目安(概要)
基幹システム | CMSシステム | 業務システム | WEBシステム |
---|---|---|---|
500万円~ | 50万円~ | 250万円~ | 250万円~ |
個別システムの開発費用の目安(あくまでも目安となります)
受発注管理 システム | 顧客管理・CRM システム | 売掛金管理 システム | ワークフロー申請承認 システム | 生産管理 システム |
---|---|---|---|---|
300万円~ | 800万円~ | 300万円~ | 500万円~ | 500万円~ |
RPA(ロボティックプロセス オートメーション) | 商品管理 システム | 来店予約 システム | データ連携 システム |
---|---|---|---|
30万円~ | 250万円~ | 150万円~ | 80万円~ |
システム開発費を安くするためのポイント
フルスクラッチにこだわらない
システムを受託開発しようと考えると、一から相談して作る=フルスクラッチ開発をイメージする人が多いようです。しかし、導入したいシステムの機能や仕様を考えたとき、合致するものが既に市場に出ているならそれを採用した方が格段に費用は安く済みます。パッケージ製品やクラウドサービスなど、数多くの選択肢から最適なものを選ぶことで、少ないカスタマイズ費用で快適なシステム導入を叶えることができます。
パッケージやクラウドの開発の自由度が少ないことを心配する声もありますが、まずはフルスクラッチ・パッケージ・クラウドすべてに精通したシステムインテグレーターに相談するのがお勧めです。候補となるソフトやサービスには何ができて/何ができないのか?を把握した上で、最適な提案が受けられるので安心です。
メーカー(ベンダー)名や大手かどうかにこだわらない
開発業者を選ぶ際、大手だったり著名なシステムインテグレーターを選ぶと開発費が高くなる傾向があります。システム開発の場合は、ネームバリューのある先に発注しても、結局自社では開発を行わずに下請けに振ることもあるため、料金が高い=質の高さが期待できる、というわけではありません。システム開発の場合は、会社の大小やネームバリュー、バックボーンなどは品質と関係がないことに注意しましょう。
誰が開発するか、にこだわる
社名にこだわる必要がないという一方で、開発を請け負う人の技術的スキルの高さ、こちらの要件を引き出してくれるヒアリング力、コミュニケーションの取りやすさなどは重視する必要があります。下請けを利用していたり、担当者がコロコロと変わるような会社ではたくさんの人が介在するため、要件がきちんと伝わらなかったり、行き違いが生じる恐れがあります。要件定義、設計、開発、テスト、運用、保守と、すべての工程を自社で完結できる会社だと余計な外注コストやコミュニケーションコストがかからないため、リーズナブルで質の高いシステム開発が実現します。
シースリーインデックスが考える
「開発費の適正化」とは?
長い期間利用することが想定されるのなら、フルスクラッチで最適なものを構築するのもよいと思います。反対に、他のシステムの更新が来たタイミングで替えたいといった繋ぎとしての導入の場合は、手軽なパッケージやクラウドサービスを検討するのもお勧めです。
また、費用の払い方に対する考え方も重要です。今、初期費用を払ってでも優秀なシステムを会社の資産にしたいという考え方もできますし、反対に従量課金制のクラウドで使った分だけ払う方が自社の経営に合っていると考える方もいるでしょう。
さまざまな選択肢があれば、それを実現することができます。ですが、限られた選択肢しか提案できない開発業者に初期相談をしてしまうと、他の選択肢を知ることができません。
システム開発にかかる費用を適正化するためのプロセス
社内プロジェクトの立ち上げ
システム導入に関して、社内プロジェクトを立ち上げましょう。システム担当者だけでなく、実際にそのシステムを使う現場の方にも参加してもらうことで、実態に合ったシステム開発が実現します。
また、関連するシステムに関してサポート切れが近いものや、リニューアルしたいものなどがないかも確認することで、一部のシステムだけではなく企業のDX化推進といった少し大きな枠でシステム投資を捉え、計画的に導入を進めるのもお勧めです。
プロジェクトを立ち上げたら、システム開発の目的/予算/機能/仕様/既存システムとの連携などを話し合い、まとめておきましょう。
提案依頼書(RFP)を作成する
プロジェクトの決定事項をまとめて提案依頼書(RFP)を作成します。システムの要件を口頭で伝えるだけだと、伝え漏れや行き違いが生じることがあるため、きちんと書面にすることが大切です。RFPの質が低いと開発業者側も正確にシステムのイメージを持ちにくくなり、受けられる提案の質も低くなってしまいます。
オリエンテーションを行う
開発を依頼する業者に提案依頼書(RFP)の内容を説明します。相見積もりを取る場合は、複数の業者に対してオリエンテーションを行う必要があります。
開発業者を決定する
各システムインテグレーターの提案するシステムの内容や料金を見て、社内で検討を行います。開発業者が決定したら、システム開発の最初の段階、要件定義へと進んでいきます。
開発費を適正化するためには、開発の前段階に注意が必要です
この流れを見ていただくと分かる通り、システム開発費を適正化するためには3までの工程が重要です。いかに欲しいのはどんなシステムなのか?ということを言語化し、まとめてSIerに正しく伝えることができるか。それによって、業者から提示される見積もりや提案の質が変わってきます。また、システムを通じて実現したいことを上手く伝えられていないと、後々追加開発が必要になったり、工期が延びたりすることで見積もりの金額よりも実際の費用が高くなってしまうことがあります。