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AWSの導入費用はどれくらい?ケース別の目安や料金を抑えるポイントを解説

2023.04.26

AWSを導入しようか検討している方の中には、「導入費用の目安がわからない」「AWSを利用する前にある程度の料金を知っておきたい」という方がいるのではないでしょうか。

AWSを導入する際には、無理のない範囲で運用していくためにも、予算内におさまるか確認することが大切です。

本記事では、AWSの料金体系をはじめ、導入費用の目安を4つのケースに分けて紹介します。

また記事終盤では、AWSの導入費用を抑えるためのポイントもお伝えするので、コストを削減したい方はぜひ参考にしてください。

AWSの料金体系は主に2つ

AWSの料金体系は主に2つ
AWS(Amazon Web Service)を導入する前に、導入費用を把握しておくため料金体系を確認しておきましょう。

ここでは、AWSの主な料金体系を2つ紹介します。

従量制料金である

AWSの料金体系は、利用すればするほど料金が加算される従量制料金です。AWSで利用できるサーバーは、秒単位または時間単位で料金が加算されます。

アクセス数の多い大規模のシステムは料金がかさみやすいですが、休日や夜間などのサービスを利用しない時間帯をつくることで余分な料金の削減可能です。

利用するサービスの種類で変動する

AWSでは、従量制料金のほかに利用するサービスの種類によって料金が加算されます。

2023年4月時点では、190種類以上を超えるAWSサービスが扱われています。導入するサービスが多いほど料金が加算されますが、精度の高いシステムを構築できるでしょう。

はじめてAWS上でシステムを構築する場合は、最低限のサービスで低コストからはじめてみることをおすすめします。

またサービスの種類によって、料金の決まり方が異なります。

たとえばAmazon EC2の料金の場合、料金の決まり方は以下の通りです。

  • サーバーの台数
  • ストレージの容量
  • データの転送量
  • インスタンスの種類

はじめからグレードの高いものを選ぶのではなく、システムを運用する上でその都度必要なものを追加すると良いでしょう。

AWSの導入費用を決めるときの3つの要素

AWSの導入費用を決めるときの3つの要素
AWSの導入費用は、主に3つの要素で決まります。導入費用がどのように変動するのか、各要素について理解を深めましょう。

ここでは、AWSの導入費用を決める際の3つの要素について紹介します。

コンピューティング(サーバー)

コンピューティング(サーバー)の料金は、基本的に1時間あたり約2円です。中には、秒単位で料金が加算されるサービスもあります。

利用時間だけではなく、サーバーの台数やスペック、メモリの容量などによって料金が異なります。

またインスタンスタイプによって料金が異なり、1時間あたりの料金の違いは以下の通りです。

  • t3.micro: 0.0136USD
  • m5a.xlarge: 0.224USD
  • c6a.2xlarge: 0.3852USD
    リージョン:東京/OS:Linuxの場合

ストレージ

ストレージの料金は、1か月あたり約2円〜10円です。1GBごとに料金が加算される仕組みであり、ストレージの容量によって1か月にかかる料金が異なります。

容量の他、ローカルハードディスクやオンラインストレージとして利用するなど、用途によって料金が変動するので理解しておきましょう。

またAmazon S3を利用した場合、1GBあたりの料金は以下の通りです。

  • はじめの50TB/月:0.025USD
  • 次の450TB/月:0.024USD
  • 500TB〜/月:0.023USD

データ転送

データ転送の料金は、1GBあたり約10円です。AWSのサービス間でのデータの転送では、料金がかかりません。

Amazon S3のデータを転送する場合、1GBあたりの料金は以下の通りです。

  • 〜1GB/月:0.00USD
  • 次の9.999TB/月:0.114USD
  • 次の40TB/月:0.089USD
  • 次の100TB/月:0.086USD
  • 150TB〜/月:0.084USD

AWSの導入費用の目安|4つのケース別に紹介

AWSの導入費用の目安|4つのケース別に紹介
AWSの導入費用は、料金体系やさまざまな要素から見積もる必要があります。見積もり方法は複雑で明確な料金が提示できないので、まず実際の導入事例から費用を参考にすると良いでしょう。

ここでは、AWSの導入費用の目安を4つのケースに分けて紹介します。ただし、以下で紹介する日本円に換算した導入費用は、2023年4月時点の情報をもとにしたものです。

クラウドの構成と料金試算例はAWS公式ページをご参照ください。
引用:ご利用の多い代表的なクラウド構成と料金試算例

ケース1.Webサイト用のシステムを構築したい

動的Webサイトを構築するときの導入費用の目安は、月額約760ドルです。日本円に換算すると、月額約101,486.92円です

今回のケースでは、以下のようなサービスを利用しています。

  • Elastic Load Balancing(ロードバランサー)
  • AWS Certificate Manager(SSL/TLS証明書の管理)
  • Amazon EC2、Amazon EBS(サーバーやストレージ)
  • Amazon RDS(データベース)
  • NAT Gateway(ネットワークアドレス変換)

ケース2.Windowsベースのファイルサーバーを構築したい

WindowsファイルサーバーをAWS上で構築するときの導入費用の目安は、2TBの容量で月額約420~925ドルです。日本円に換算すると、月額約56,084.88円~123,520.26円です。

今回のケースでは、以下のようなサービスを利用しています。

  • Amazon FSx for Windows File Server(ファイルストレージ)
  • AWS Directory Service for Microsoft Active Directory(アクティブディレクトリ)
  • AWS Site-to-Site VPN(オンプレミスとの接続)

ケース3.Windowsベースの社内システムもAWSに移行したい

社内業務アプリ環境を構築するときの導入費用の目安は、月額約2,008ドルです。日本円に換算すると、月額約268,139.12円です。ここでは、WindowsアプリケーションをAWSに移行する場合の料金を紹介しています。

今回のケースでは、以下のようなサービスを利用してます。

  • Amazon EC2、Amazon EBS(サーバーやストレージ)
  • Amazon RDS for SQL Server(SQL Serverのデータベース管理システム)
  • Elastic Load Balancing(ロードバランサー)
  • AWS VPN(オンプレミスとの接続)

ケース4.小規模から始められるテレワーク環境を構築したい(仮想デスクトップ)

仮想デスクトップ(VDI)環境を整えるときの導入費用の目安は、月額約321ドルです。日本円に換算すると、月額約42,864.87円です。

今回のケースでは、以下のようなサービスを利用しています。

  • Amazon WorkSpaces(仮想デスクトップの構築)
  • AWS Directory Service–AD Connector(仮想デスクトップの認証)
  • AWS VPN(オンプレミスとの接続)

AWSの導入費用を抑えるポイント3つ

AWSの導入費用を抑えるポイント3つ
AWSを導入する際、予算内におさまらないかと不安に思う方もいるでしょう。そのような方は、ただ闇雲に導入するのではなく、費用を抑えるためのポイントを押さえることが大切です。

ここでは、AWSの導入費用を抑えるポイントを3つ紹介します。

Savings Plansを利用する

Savings Plansは、一貫したコンピューティング使用量を1年または3年の期間で契約するものです。Amazon EC2・AWS Lambda・AWS Fargateを低コストで利用できる料金モデルです。

指定された期間にわたってAWSのリソース利用料金を削減でき、導入費用を抑えたい方に適しています。長期の利用や予測可能なワークロードに最適で、固定の割引率が適用されます。

また一部のSavings Plansは自動的にフレキシブルにリソースを適用し、割引を最大化します。Savings Plansは柔軟性があり、リザーブドインスタンス(RI)よりも使いやすく管理が簡単です。

不要なインスタンスやリソースを終了、または削除する

AWSの不要なインスタンスやリソースを終了したり削除したりすることで、無駄なコストを削減でき導入費用やランニングコストを抑えられます。

そのほか、セキュリティ上の脆弱性を排除できたり、リソースのパフォーマンスへの悪影響を取り除けたりと、さまざまなメリットがあります。

また不要なリソースを排除すると、管理の簡素化にもつながるでしょう。

AWS請求代行サービスを使う

通常AWSの導入費用は、ドル建ての請求書をコンビニで払ったり、日本円でクレジットカードで払ったりする必要があります。

AWSの導入費用をほかの方法で支払いたい場合は、AWS請求代行サービスの活用がおすすめです。

ちなみにAWS請求代行サービスとは、AWSと連携しているパートナー企業が代わりにAWSの請求を行ってくれるものです。日本円での銀行振込やコンビニ払いなど、さまざまな支払方法に対応しています。

またAWS請求代行サービスを利用すると、AWSのサービス料金を8%〜10%割引で利用が可能です。導入費用の削減にもつながるので、AWSをはじめて利用する方はぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

AWSの導入費用は、従量制料金であったり利用するサービスによって変動したりと、利用するほど費用が加算されていく仕組みとなっています。

アクセス数の多い大規模システムは導入費用が高くなる傾向がある一方、小規模システムはコストを抑えてクラウド上での運用ができる点がメリットです。

またAWSの導入事例の中には、10万円未満の低コストでシステムを構築できた事例があります。

AWS導入する際には、AWS料金見積りツールを活用する、無料トライアルを利用する、などのポイントを押さえておけば、さらに導入費用を削減できる可能性が高まるでしょう。