RPAを超えるワークフロー?n8nの魅力とは?できること、得意なことを紹介
突然ですが、業務効率化に悩んでいませんか?
自動化を進めて違う業務に時間を割きたい、人為的なミスを減らしたい。
でも、技術や資金が無くてなかなかできない。
安心してください!そんな悩みを解決するオンプレミスで構築できるツールがあるのです!
それは
n8n(エヌエイトエヌ)です!!
目次
n8n(エヌエイトエヌ)とは
n8n(エヌエイトエヌ)は、無料(社内のビジネス限定で、オンプレミス構築。このアプリを使用しての商売はできません)で使うことができるワークフローの自動化ツールです。
近いソフトでは、IFTTT や Zapier があります。
イメージとして持っておいて欲しいのは、「ほぼノーコードでのプログラミング」「WEBアプリ連携に特化したRPA」「PC のブラウザから管理できる」という点です。
ワークフローとは
ここで、ワークフローって?って疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明しておきますね!
ワークフローとはワーク(仕事)とフロー(流れ)です。
会社では業務をわかりやすくしたり、みんなに共有ができるように、仕事の流れを決めているのではないでしょうか?
例えば、
“`
お客様からメールが来る
忘れないように、エクセルに転記する
業務処理を行い、エクセルの完了日を記入する
“`
このような一連の流れをワークフローと言います。
そして、このワークフローは、自動化することが可能な部分があります。
こういった部分の手間を減らすことで、業務効率化ができるのです!
上記の例では、「メールをエクセルに転記する」って、処理を自動化できれば、毎回 1 分の節約になり、ミスを減らすことができます。
1 日 10 件をこなすだけでも 10 分の節約、1 か月で 200 分、1 年では 40 時間の節約です。
そして、n8n のプログラミングは 8 時間もあれば作成が可能です。
おつりがくるようなコストパフォーマンスなのではないでしょうか?
n8n(エヌエイトエヌ)のプログラミング方法
では、気になる n8n のプログラミングはというと……。
n8n のプログラミングはトリガーとアクションをノードで繋いでいくだけです!
あ、ちょっと飛躍しすぎました。もっと詳しく説明していきますね。
トリガー
n8n にはトリガーと呼ばれる要素があります。
名前の通り、プログラムを実行するためのきっかけです。
時間指定による起動はもちろんのこと、独自のフォームを作成したり、連携しているアプリに変更があった場合に動かしたりすることができます。
トリガーを動かすとトリガーに応じた値を取得することができます。
例えば
Schedule Trigger を使用すると、年月日の取得が可能です。
エンジニアの方は想像できましたよね? はい、バッチとして実行することが可能です。Windows タスクスケジューラーみたいなことが、できてしまいます。
独自のフォームを作成した場合には、フォームに入力した値が取得できます。
フォームは専用の URL が発行され、そこで、更新されたデータが連携されてきます。細かいバリデーションを組むことはできませんが、一時的なものや、社内で使うアプリだけというなら十分です。
起動用の API のエンドポイントの作成もできます。つまり、ほかのアプリから、強制的に動かすことも可能なのです!
エンジニア向けのところで言えば、GitlLab に push があった場合に実行するなんてこともできます。
push の push 通知ができるイメージですね!
他にもGoogleドライブやBox などのファイルストレージサービスに、ファイルがアップロードされたら起動することもできます。
CSV 形式でのデータの連携があるアプリにも対応できるのは心強いですよね!
アクション
トリガーの次は、アクションです。
たくさんのWEBアプリと連携しており、アプリ内のアクションを行えます。WordPress や Strapi といったメディア系はもちろんのこと、各種Git、DropBox、Next Cloudをはじめとしたファイルストレージサービス、Office365 との連携が可能です。
認証情報は?と気になりますよね。
安心してください。なんと!n8n ならアプリごとの認証情報を保持しておくことができ、使いまわすことができるのです。
例えば
WordPress ならば、ログイン情報を入れて、記事投稿のアクションを呼び出せば、自動投稿が可能です。
特筆すべきなのは HTTP request ですかね?
GET POST PUT DELETE などの http 通信が可能です。よくある API 連携ですね。
よくテレビ CM でやっている「API 連携が可能!」ってアプリは、n8n でデータのやり取りが可能になるのです!
最近のアプリは、API で連携することがスタンダードになってきました。弊社のアプリも連携できるように設計しています。
そんな今風のサービスを、ビュッフェのように選んで、n8n のテーブルに置くことで、食べたときに食べたいものが食べられる状態にできるのです。
少しデータ編集をしたい時には、JavaScript か python のコードを書くことで編集ができます。
せっかくのほぼノーコードなので、必要な時だけの使用がおすすめですが……
他にも、DB への書き込みを行ったり、参照したり、メールを送ったり、投稿したりと様々なことができます!
ノード
各トリガーとアクションをつなげるのがノードです。
このノードはデータの流れを表していて、接続元で取得したデータを接続先に送ることができます。
スケジューラートリガーを起動した後、ノードは、スケジューラートリガーの結果を持っています。
前のトリガーやアクションの結果を使って、次のアクションを起こすことができます。
ノードのデータはドラッグで転記できるので、キーボードに触れなくてもプログラミングができてしまいます!
n8n(エヌエイトエヌ)の価格
そんな魅力的な n8n
お値段、気になりますよね?
n8n の価格はクラウド版では有料ですが
オンプレなら無料です!
2GBのメモリを持ったサーバーの維持費が大体 500~1000 円/月くらいで、ユーザー数による課金はありません。
また、プログラムを組む人の学習工数もほとんどかかりません!
個人で抱えているルーチンを自動化するのなら、コストパフォーマンス的に最適なのではないでしょうか?
n8n(エヌエイトエヌ)の魅力
こんなに魅力的な n8n ですが、さらに魅力的なポイントを2つお伝えします。
- モダンなWEBシステムと連携しやすい
- 独自のカスタマイズが可能
それぞれ説明していきますね!
モダンなWebシステムと連携しやすい
n8n の最も強い長所をあげるとしたら、WEB 系アプリとの連携が強いということでしょうか。
モダンなアプリケーションはマイクロサービスと言われる造りで、小さい機能を API 通信でつなげて構築します。
弊社の作るアプリも、ほとんどが API 連携が可能なように作っており、今後、新たにアプリを構築したとしても、連携が容易になっています。
n8n は認証情報の保存もでき、クラウドサービス同士の連携を容易に行うことができます。
例えば、勤怠アプリから算出された経費を会計ソフトに連携するなんてこともできます。
小さなアプリをつないでいくことで大きなアプリを作ることができるのです。
独自のカスタマイズが可能
ちょっと語弊がありますね……。
n8n は強力な API 連携を持っていますが、ノーコード/ローコードの領域を出ません。
ノーコード/ローコードは、エンジニアがコードを書いて一瞬で済ませられることを、回りくどくフローを書いて、誰が作っても同じコード・同じ結果が得られるようにしたものだと思っています。
(それゆえに、エンジニアのすそ野が広がる良い技術だと思います。)
でも、やっぱり……。まどろっこしいですよね?
だったら、n8n の裏でアプリを動かしてしまいましょう!
FastAPI などの、簡易的に API を作れるサービスを裏で動かすことで、n8n で出来ることを格段に増やすことができるんです!
n8n からデータを取得して FastAPI に送りエクセルにしたり、PDF を画像にして返したり。できることが増えていきます。
では次に、得意なことと不得意なことを整理してみましょう!
n8n(エヌエイトエヌ)の得意なこと
ここまで強調していたように、他のWebアプリとの連携ですね。
Web API に特化した連携ができるため、昨今のクラウドサービスやマイクロサービスと相性がすごく良いです。
社内の基幹システムを Google workspace や Office で持っていれば、他のクラウドサービスとエクセルのような連携が可能になります。
他にも、基幹システムや、人事システムから会計ソフト、営業システムから工数管理システムへ、メディア管理システムから各メディアへ。
今までバラバラだったアプリを、 n8n で1つにまとめ上げることが可能です。
公式がサポートしているアプリも多く、企業で使われる OSS なら、ほとんどサポート対応してるのではないでしょうか?
そして、サーバーで起動するため、24 時間 365 日稼働させることが可能です。
n8n(エヌエイトエヌ)の不得意なこと
複雑な処理が苦手です。
JavaScript でデータの加工はできますが、それだけだと物足りない。
アクションには IF 文が用意されていて、「データが〇〇だったら、〇〇にして……」といった分岐もできますが、フロー図ですべてを書くのは大変です。
ファイル出力や加工も難しいですね。画像にクレジットを入れたり、CSV ファイルをエクセルに変換して指定の場所に置いたり。
これらのデメリットは、前述の独自の API を置くことで対応可能になります。
ガッツリとアプリを作るまでもないけど……っていう場合にちょうど良い塩梅ですよ。
n8n(エヌエイトエヌ)の活用アイデア
ちょっとした連携が簡単にできるので、一家に 1 台あるだけで、ちょっとしたライフハックができます。
● n8n のフォームから X(旧 Twitter)と Bluesky に同時投稿
SNS 管理めんどくさいですよね?n8n があれば同時投稿が可能です!
● 緊急のメールを Discord に転送
スマホのメールの通知は基本的に不要、
でも、一部は通知が欲しい……そんな時は、Discord に投稿しちゃいましょう!
Discord はチャンネルごとに通知が変えられます。それを利用して、独自の通知システムが可能となります。
● 簡易サーバーヘルスチェック
定期的に、サーバーの状態を見たいときってありますよね?
かといってサーバー管理ツールを入れるのも…..という時に重宝します。
まとめ
ちょっとしたライフハックから、業務システムのデータ連携まで対応可能な n8n の紹介でした。
限られた資金の中で、業務の効率化をすることが求められる昨今、少しでも興味がわいたら、インストールしてみてはいかがでしょうか?
n8n のライセンスの関係で、弊社では、n8n のインストールのサポートや、プログラミングの代行などはできません。
しかしながら、DX時代に合わせたn8n のような他アプリと柔軟に連携できるシステム構築や、n8n を乗せられるサーバー構築のご提案が可能です。
記事中の FastAPI のような、隙間を埋めるようなシステムから、大規模な基幹システムまで扱っています。
「将来的に使いまわせる柔軟なシステムを構築してほしい」「どんなシステムを構築すれば良いのか悩んでいる」そんな方は、こちらのお問い合わせフォームから「システム構築の相談がしたい」と書いていただきご連絡をいただければと思います。
弊社は、東海・関東エリアを中心に、たくさんのご相談をいただいております。
ご相談時期によっては、ご希望納期内でのご対応が難しい場合がございますので、お早めにご連絡をいただけますと幸いです。