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データ連携をしないとどうなる?メリット・デメリットややり方を紹介

2023.12.20

社内で複数のシステムを運営している場合、求めているデータを探すのに苦労しているところがあるのではないでしょうか。

その場合、システム間でデータ連携を行うことがおすすめです。

本記事では、データ連携のメリットやしないことで起こりうるデメリットをご紹介します。

そのほか、データ連携のやり方や役立つツールもお伝えするので、データ連携を検討している企業はぜひ参考にしてください。

データ連携とは?

データ連携とは、複数のシステムやアプリケーション、データソース間でデータを効率的に共有・交換・統合するプロセスを指します。ビジネス上の意思決定、分析、レポート作成を支援するために不可欠です。

データ連携をしないとどうなる?

ここでは、データ連携をしない場合、起こりうるデメリットを4つご紹介します。

複数のシステムでデータに矛盾が生じる

異なるシステムやデータソース間でデータが適切に同期されていないために、同じデータの異なるバージョンが複数の場所で存在し、データの整合性が損なわれる状況となる恐れがあります。

たとえば、異なるシステムに格納されている同じデータ項目について、ひとつのシステムでは更新されていても、ほかのシステムでは古い情報が残っているという事態が起こり得ます。

ビジネス上の意思決定は、正確なデータに基づいて行われるべきです。しかしデータの矛盾がある場合、誤った情報に基づいて判断を下すリスクが生じてしまいます。

また矛盾するデータを手動で検証し、修正する必要が生じるため、業務の効率が大幅に低下します。顧客データに矛盾がある場合、顧客サービスに影響を与え、顧客満足度の低下につながる恐れがあるでしょう。

データを組み合わせた活用ができない

データ連携が行われていないと、各システムに分散しているデータを分析することが難しくなり、データの潜在的な価値を最大限に引き出すことができません。

また異なるシステムのデータを組み合わせて全体的なビューを得られないため、ビジネスの全体像を理解するのが困難になります。

異なるデータソースを組み合わせて分析すると、間違った分析結果が出て、洞察や新たな発見の機会が失われるリスクもあるでしょう。ビジネス戦略の策定や市場トレンドの予測において課題となります。

データが散在している

データ連携が不十分だと、データが組織内の複数のシステム・部門・データベースに分散して存在している状態となってしまいます。必要な情報を迅速に見つけ出しアクセスすることが困難になり、効率的な意思決定や迅速な問題解決を妨げるでしょう。

情報の古いバージョンが異なる場所に残るリスクもあり、データの一貫性が失われてしまいます。その結果、誤ったビジネス決定を引き起こしやすいです。

またデータが多くの場所に散在していると、管理が複雑化し労力とコストが増加します。特に、セキュリティやプライバシーの管理が難しくなります。

手作業によるミスが生じやすい

手作業でのデータ入力や転記は、打ち間違いや見落としといった誤りを引き起こしやすく、データの正確性が損なわれます。データの更新作業が手作業に依存すると、情報の更新が遅れがちになり、古いまたは不正確なデータに基づいて意思決定が行われるリスクにつながるでしょう。

また、手作業でのデータ処理は時間がかかり、作業効率が低下します。異なる人々が異なる方法でデータを処理する場合は、データの処理方法に一貫性が欠け、結果としてデータの品質が不均一になるでしょう。

データ連携のメリット

ここでは、データ連携のメリットを3つご紹介します。

データを組み合わせられる

異なるソースからのデータを効果的に統合し、相互に関連付けて分析や意思決定に利用できるようになります。包括的な視点を得られ、ビジネスに関する深い洞察を提供し、より精度の高い分析を実現できるでしょう。

さまざまなデータを組み合わせることで、以前は見落とされがちだったパターンやトレンドが明らかになる場合があります。新たなビジネス機会の発見や効果的な戦略立案に役立ちます。

また一元化されたデータは、より情報にもとづいた意思決定をサポートします。異なるデータポイントを総合的に考慮し、リスクを低減してより効果的な決定ができるでしょう。

データを一元管理できる

異なるソースからのデータを単一のシステムやリポジトリに統合し、組織全体でデータの管理とアクセスを集中化することができます。統合されたデータ管理を通じて、必要なデータへのアクセスが容易になり、情報検索の時間を大幅に短縮することが可能です。

一元管理により、データの重複や矛盾を減らせるので、データの整合性と品質の維持が実現できます。

また、データの一元管理は、リアルタイムでのデータ分析と意思決定をサポートします。一元管理しておけば、ビジネスに迅速に対応する能力を高められるでしょう。

データのバックアップ・更新・クリーニングなどのメンテナンス作業も、一箇所で行えるため作業の効率性が向上します。

データの整合性が取れる

データ連携により、データ全体の一貫性と正確性が保たれます。情報の不一致や古いデータに基づく誤解が減少し、意思決定の精度が向上するでしょう。

データの整合性が確保されると、データの品質が全体的に向上します。具体的には、データの正確性、完全性、信頼性などが含まれます。

また整合性の取れたデータは、管理が容易になります。その結果、データのクリーニング、保守、更新作業の効率が向上するでしょう。

企業が法規制や内部ポリシーを遵守する上で、データの整合性は極めて重要です。データの整合性が保たれることで、リスク管理とコンプライアンスが強化されます。

データ連携のやり方

ここでは、データ連携のやり方について4つのステップに分けて解説します。

1. データを取得する

このステップでは、データ連携のためのソースデータを収集します。

データは、さまざまなシステムやデータベース、API経由でのデータ・クラウドベースのサービス・ほかの企業アプリケーションなどの外部ソースから取得しましょう。その際、データのアクセス方法や取得形式を特定します。

2. データを変換する

取得したデータは、そのままの形式では使用できないケースがあるため、必要に応じて変換する必要があります。目的に応じた分析や処理が可能になるように、データを適切な形式に変換します。

不要なデータの除去やエラーの修正、フォーマットの標準化、データ構造の変更などの業務が含まれています。

3. データを登録する

変換されたデータは、目的のデータベース、データウェアハウス、または別のシステムに登録されます。

データの保存・更新・統合を行う必要があり、データの利用目的やアクセスパターンに合わせて最適化しましょう。

4. データ連携を実行するタイミングを設定する

このステップでは、データの取得・変換・登録をいつ、どのように実行するかを決定します。リアルタイム、定期的な実行、特定のアクションやトリガーに応じた実行など、ビジネスニーズに応じて選択されることが一般的です。

適切なスケジューリングは、データの最新性・システムのパフォーマンス・リソースの最適利用に影響します。

データ連携の方法

ここでは、データ連携の方法を4つご紹介します。

EAIツール

EAIツールとは、Enterprise(企業)・Application(アプリケーション)・Integratio(統合)の頭文字を取ったものです。異なるビジネスアプリケーションやシステム間での、データ連携やプロセス統合を可能にします。

EAIツールの目的は、組織内の異なるシステムをシームレスに連携させ、データの一元管理や効率的な情報フローを実現することです。

また、異なるデータフォーマットや通信プロトコルをサポートし、システム間の互換性の問題を解決します。

リアルタイムまたはバッチ処理ベースでデータを連携し、即時性のある情報共有を実現します。異なるシステム間を仲介するミドルウェアとして機能し、統合の複雑さを抽象化することが可能です。

ETLツール

ETLツールとは、Extract(抽出)・Transform(変換)・Load(読み込み)の頭文字を取ったものです。ETLツールは、データウェアハウジングにおいて中核的な役割を果たし、異なるソースからのデータを一元的なデータベース・データウェアハウス・ビジネスインテリジェンスシステムに統合する際に使用されます。

Extract(抽出)のステップでは、データベース、CRMシステム、ERPシステム、ファイルなどの異なるデータベースから、必要なデータを抽出します。正確なデータ抽出は、データ連携プロセスの基礎を形成します。

Transform(変換)のステップでは、抽出されたデータを変換します。ここでは、データのクリーニング・フォーマットの標準化・結合・分割・集計などのプロセスを行います。異なるソースからのデータを統一的なフォーマットに変換し、分析やレポーティングのために整理します。

Load(読み込み)のステップでは、変換されたデータをターゲットのデータベース・データウェアハウス・別のシステムに読み込みます。データが最終的な目的地に格納され、分析やビジネスプロセスの決定に利用されます。

RPAツール

RPAツールとは、Robotic(ロボット)・Process(過程)・Automation(自動化)の頭文字を取ったものです。ソフトウェアロボットを使用して、人間が行うようなルーチンワークや繰り返しタスクを自動化する技術です。

RPAツールは、既存のアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を介して操作を行います。システムの内部を変更することなく、外部からの自動操作が可能です。

またプログラミング知識がなくても、ビジュアルインターフェースを通じて自動化フローを設計できるため、非技術者でも利用しやすいです。比較的容易に導入でき、ビジネスの成長や変化に応じてスケールアップできます。

レシピ型iPaaS

レシピ型iPaaSは、Integration Platform as a Service(iPaaS)の1種であり、ユーザーフレンドリーなアプローチを提供するクラウドベースのデータ連携サービスです。事前に設定されたテンプレートを使用して、異なるアプリケーションやシステム間でのデータ連携を簡単に設定できます。

ビジュアルで直感的なインターフェースを提供し、非技術的なユーザーでも容易に使用できます。サービスはクラウド上で提供されるため、オンプレミスのインフラストラクチャは不要です。

また、多くの異なるアプリケーションやシステムとの互換性を持ち、ビジネスの成長や変化に合わせて簡単に拡張・カスタマイズできます。

まとめ

データ連携は、異なるシステムやデータソース間でデータを共有・統合するプロセスです。

データ連携を行わないと、データの矛盾、分散、活用の困難さ、手作業によるミスなどの問題が生じます。メリットとしては、データの組み合わせ、一元管理、整合性の向上があります。

データ連携のプロセスは、データの取得、変換、登録、そして適切なタイミングでの連携実行を含みます。連携方法には、EAIツール、ETLツール、RPAツール、レシピ型iPaaSなどがあり、これらはデータの効率的な管理と活用をサポートします。