AWSにおけるデータレイクとは?メリットやベストプラクティスを解説
システムに関するデータを収集する際、保存先であるデータレイクを設定しておくと便利です。
本記事では、AWSにおけるデータレイクの特徴やメリットをご紹介します。
そのほか、AWSにおけるデータレイクのベストプラクティスについても解説するので、これからAWSを利用する場合はぜひ参考にしてください。
目次
データレイクとは?
データレイクとは、大量の生データを元の形式のまま保存し、必要に応じて分析や処理ができるように設計されたストレージシステムです。
データレイクは、データドリブンな意思決定や洞察の獲得に役立つ柔軟なデータ管理環境を提供します。特に、変化が激しいビジネス環境や新しいデータソースを統合したい場合に有効です。
データウェアハウスとの違い
データレイクとデータウェアハウスは、どちらも大量のデータを保存・管理するためのシステムですが、その目的、構造、使用方法において重要な違いがあります。
データレイクでは、構造化データ、半構造化データ、非構造化データをその原形のまま保存します。データサイエンス、ビッグデータ分析、機械学習などの用途に適しており、生データを探索、分析、処理するために使用されることが多いです。
また、データレイクでは生のデータを保存することができ、必要に応じて変換や処理を行います。
一方でデータウェアハウスは、主に構造化データを保存します。ビジネスインテリジェンス、レポート、データ分析など、より構造化されたクエリ処理に最適化されています。
データは取り込みの段階で変換され、特定の目的に合わせて整理されます。
このように、保存できるデータの形式や処理方法などが異なります。
AWSにおけるデータレイクの特徴
ここでは、AWSにおけるデータレイクの特徴を4つご紹介します。
参考元:AWS上でのデータレイク
シームレスなデータの統合と移動
AWSは、異なるデータソースからのデータを簡単かつ効率的に統合し、必要に応じてデータを移動させるサービスを提供しています。
なかでも、AWS Glueを使用すると、リアルタイムまたはバッチで、任意の量のデータをインポートできます。
複数のソースからデータを収集しオリジナルのフォーマットでデータレイクに移動したり、AWSの分析サービスを使用しデータレイクに直接クエリを実行したりすることが可能です。
AWS Glueのようなデータ統合・発見・準備・変換ツールがあれば、データ構造、スキーマ、変換を定義する時間を節約しながらスケールできます。
データの発見・カタログ化・保護
AWSは、データの管理とセキュリティを強化するサービスを提供しています。データのクロール・カタログ化・インデックス化・保護が可能であり、ユーザーへのアクセスを確保するために重要です。
サービスを活用すると、データレイク内の膨大なデータのなかから、必要なデータを効率的に見つけ出すことができます。AWS Glueを使用すると、データレイク内のデータにメタデータを付与しカタログ化します。
専用分析を実現
AWSでは、効率的かつ柔軟にデータ分析を行うときに役立つ、分析用途に特化したツールとサービスの利用が可能です。専用の分析ツールやフレームワークを選択すれば、データを別の分析システムに移動させる必要なく、簡単かつ迅速に分析を実行できます。
AWSの専用分析ツールには、以下のようなものがあります。
- Amazon Athena
- Amazon Redshift
- Amazon EMR
Amazon Kinesisは、リアルタイムでのデータストリーミングと分析ができます。Amazon SageMakerは、データレイク内のデータに基づいた機械学習モデルの構築とトレーニングを行うことが可能です。
Amazon QuickSightは、データのビジュアライゼーションとビジネスインテリジェンス分析が実行できます。
機械学習の迅速なデプロイ
AWSのAI機能を活用することで、正確な予測、データからのより深いインサイトの獲得、運用上のオーバーヘッドの削減、カスタマーエクスペリエンスの向上が期待できます。
Amazon SageMakerなどのAWSの機械学習サービスは、モデルの構築、トレーニング・チューニング・デプロイメントを迅速かつ効率的に行えます。機械学習モデルのトレーニングや推論に必要な計算能力を、柔軟にスケールアップまたはダウンが可能です。
また、AWSはセキュリティとコンプライアンスの高い基盤を提供するため、機械学習プロジェクトを安全な環境で実行できるでしょう。
AWSにおけるデータレイクのメリット
ここでは、AWSにおけるデータレイクのメリットを4つご紹介します。
参考元:AWS上でのデータレイク
全データを保存できる
AWSサービスのなかでも、Amazon S3はコスト効率よく、実質的に無制限にスケールできます。そのため、あらゆるソースのあらゆるデータの保存が可能です。
具体的には、構造化データ(データベースのテーブルなど)、半構造化データ(CSV、JSONなど)、非構造化データ(画像、動画、テキストファイルなど)など、異なる形式のデータを同じ場所に保存できます。
特に大規模なビッグデータの管理に適しており、データ量に関わらず、拡張性と柔軟性を提供します。保存されたデータは、必要に応じて即座に分析や処理のためにアクセスが可能です。
イノベーションを促進できる
すべてのデータを分析に利用できるため、組織は節約や個別化の新しい機会を発見するなど、イノベーションを加速させられます。AWSの柔軟なデータ管理と分析機能により、新しい洞察を得て、ビジネスプロセスや製品・サービスの革新を推進できる可能性があるでしょう。
多様なデータを統合し、リアルタイムで分析することにより、データに基づいた迅速かつ精度の高い意思決定を実現できます。
また、異なるソースのデータを組み合わせることで、新たなビジネスインサイトや機会を発見できる可能性があります。ビッグデータの分析を通じて、ビジネスプロセスの効率化やコスト削減の機会を見つけ出せるでしょう。
業務に最適なツールを使用できる
専用の分析サービスを使用すると、ニーズに合わせて最高のパフォーマンス・スケール・コストを提供するために最適化できます。業務に最も適したツールを使用して、データのインサイトをすばやく抽出できるでしょう。
特定の業務要件に合わせたカスタマイズや拡張が容易であり、独自のアプリケーションやツールを統合することが可能です。さまざまなデータソースとの連携が可能なので、企業内外のデータを統合して分析する際に役立ちます。
サーバー管理を排除できる
AWSを利用することで、物理的なサーバーの設定・メンテナンス・スケーリングなどの管理作業の手間が省けます。
クラウドベースのサービスであるため、データ量の増加に合わせて自動的にリソースをスケールアップまたはダウンが可能です。そのため、予測不能なデータ成長に対応するための計画や投資が不要になります。
また、サーバーやデータセンターの設備投資が不要になるため、初期コストおよび運用コストを削減できます。サーバー管理の排除により、ITチームはインフラストラクチャの運用やトラブルシューティングに費やす時間を減らし、より価値の高い業務に集中できるでしょう。
AWSにおけるデータレイクのベストプラクティス
ここでは、AWSにおけるデータレイクのベストプラクティスについて解説します。
Amazon S3
Amazon S3とは、高い耐久性とスケーラビリティを持つオブジェクトストレージサービスです。構造化、半構造化、非構造化データを問わず、膨大な量のデータを保存できます。
データは複数の物理的な施設にまたがって冗長的に保存されるため、高い耐久性と可用性を確保できます。データの暗号化、アクセス管理機能、監査機能を提供し、セキュリティとコンプライアンスの要件を満たすので安心です。
またAmazon S3上に保存されたデータは、Amazon RedshiftやAmazon AthenaなどのほかのAWS分析サービスから直接アクセスして分析できます。
Amazon Redshift
Amazon Redshiftは、フルマネージド型のデータウェアハウスサービスです。大規模なデータセットのストレージと分析を高速かつ効率的に行うことができ、データレイクの重要な要素となります。
必要に応じてリソース(CPU、ストレージ)をスケールアップまたはダウンでき、大規模なデータウェアハウジングニーズに対応します。
また、AWSの他のサービス(Amazon S3、Amazon DynamoDBなど)とシームレスに統合でき、データレイクからのデータの取り込みや書き出しが容易です。データの暗号化、アクセス制御、監査機能を提供し、企業のセキュリティとコンプライアンス要件を満たしています。
Amazon Athena
Amazon Athenaは、サーバーレスクエリサービスです。AWS内のデータレイクに格納されたデータに対して直接SQLクエリを実行できる機能を提供しています。
サーバーレスであるため、インフラストラクチャの管理やセットアップが不要です。ユーザーはクエリ実行に集中でき、サーバーのプロビジョニングや管理に関する負担がありません。
また、Amazon S3に保存されたデータに対して直接SQLクエリを実行でき、大量のデータを迅速に分析できます。
AWSのほかのサービスとシームレスに統合され、AWS Glueを使用したデータカタログの構築やAmazon QuickSightを使用したビジュアライゼーションなど、さまざまなユースケースに適用が可能です。
Amazon QuickSight
Amazon QuickSightは、ビジネスインテリジェンス(BI)サービスです。活用することで、ユーザーはデータを視覚化し、インタラクティブなダッシュボードを作成してビジネスデータから洞察を得ることができます。
サーバーの管理やスケーリングが不要で、数千から数十万のユーザーに対応する高いスケーラビリティを持ちます。
分析機能では、、グラフ・チャート・地図などの豊富なビジュアライゼーションオプションを利用して視覚的なレポートやダッシュボードの作成が可能です。機械学習を活用することで、データ内のパターンや異常を自動的に検出し、予測分析を提供します。
まとめ
データレイクは、様々な形式の大量データを一元的に保存・管理するシステムです。データウェアハウスと異なり、原始データを加工せずに保存し、柔軟な分析を可能にします。
AWSのデータレイクは、シームレスなデータ統合、カタログ化、保護、専用分析の実現、機械学習の迅速なデプロイなどを特徴としています。すべてのデータ形式を保存したり、イノベーションを促進したりと、さまざまなメリットがある点が魅力です。
AWSのデータレイクにはAmazon S3、Redshift、Athena、QuickSightなどがベストプラクティスとして活用されており、データドリブンな意思決定をサポートします。